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【三菱一号館美術館】木版画の名作《アンティミテ》は必見!【ヴァロットン黒と白】展

引用:三菱一号館美術館公式twitter

【初公開】約180点のコレクションを一挙公開!

フランス生まれのフェリックス・ヴァロットン。ナビ派の画家として有名な彼の木版画が、なんと約180作品も展示されるらしいです。

企画展「ヴァロットン―黒と白」を三菱一号館美術館の内覧会にてじっくり鑑賞してきました。世界有数のヴァロットン版画をコレクションしているからこそ実現できた超貴重な展示にテンションあがります!

1.「外国人のナビ」ヴァロットンー木版画制作のはじまり

当初は黒ベタな表現ではなく、荒いタッチの人物画や繊細な線で風景画を制作していました。

当時流行したジャポニズムの影響を受けていたようで、ゴッホ同様に日本美術を愛好していたこようです。スイスの山を描いた山の連作は浮世絵からヒントを受けて発表したのかもしれませんね。風景版画もいいね!ヴァロットン。

この部屋では作品と版木がセットで展示されていました。

学芸員に確認したところ、ヴァロットン自ら版木を制作しているとのことでびっくり。浮世絵は彫師や摺師など分業されていた訳ではないそうです。

限定版画の版木なので通常ならば破棄されてしまうため、とても貴重だと思いませんか。ヴァロットンの息遣いが聞こえてきそうです。

2.パリの観察者

スイスからパリという華やかな都会でてきたヴァロットン。

個人の肖像画から街角の群衆や市街地で見かけた可愛い子供など群衆に眼をむけた作品がならびます。風刺的な観点や知的なユーモアをまぜた作品が展示されていました。

都会の華やかで洗練された文化はヴァロットンにはあわないのかも。

作品は俯瞰的でどこから見下ろしているような、誰もテーマにしないような「死」をテーマにしたりと独特な世界観が飛び抜けています。交通事故現場の作品があってかなり攻めている。

そんなヴァロットンが子供を描いたシリーズもどこか怪しさがありました。表情がかわいくなくどこか不気味な感じ。

当時のナビ派にはみられない独特なタッチはいいですね。この頃になると版画表現が線ではなく白と黒の面で表現されているような気がします。服はベタ塗りで模様のよう。

3.ナビ派と同時代パリの芸術活動

同時代に活躍されていた作家との比較ができる展示がありました。ちょうどその時期に販売された版画集『レスタンプ・オリジナル』の展示です。

これも貴重ではないでしょうか。ヴァロットン以外は多色刷りもあり、とてもほのぼのした感じ。同年代の作家と並べて展示すると、装飾表現がどの作品も似ているような気がしました。

ヴァロットンは人物よりも装飾などの飾りものが好きなようで、彫りのデザインに気合いれていたのかもしれない。

4.アンティミテ : 親密さと裏側の世界

展示で一番見たかった作品が限定30部の超貴重な《アンティミテ》

今回の展示では販売されたときに版画が入っていたケースまで展示されていました。もちろん展示室のセンターに鎮座しています。そのポートフォリオを囲むように作品が並び圧巻。この部屋は必見です!

室内にいる男女の様子を描いた版画シリーズが10作品展示されています。作品をじっくり見たあとに題名を確認、もう一回部屋をぐるぐる回遊して鑑賞する至福の時間。

この版画からは何を想像しますか?

男女二人が密室にいる構図に装飾の彫りはとても繊細で美しいです。それに比べて顔は極端に単純化されています。手の位置などからどのような男女関係なのか、妄想がひろがりますね

もう一つ傑作といわれる作品が展示されていました。他のシリーズになりますが《怠惰》という作品。ベットに猫と戯れる女性と比べて、装飾がやたら正確で細かい彫りになっています。

ヴァロットン版画のほとんどがおおよそ縦18cm×横22cmほどの小さな作品。この大きさの中に掘る執拗さが発する魅力なのでしょうか。

本物は手に入らないけど、ポストカードでお持ち帰りしたい作品の一つです。

5.空想と現実のはざま

可愛かったのは当時流行った蔵書印シリーズ。

最後のスペースは晩年の作品が勢揃い。この頃になると絵画制作に打ち込んでいたようですが、しっかり版画を作成しています。

第一次世界大戦の影響で作成したシリーズで展覧会は幕を閉じます。ポートフォリオには血しぶきのような赤インキが飛び散ったデザインとなっていました。

黒と白だけで表現されるデザイン、余白のバランスがとても興味深く、あっと言う間に180作品をみることができました。

油絵などと比較して木版画は保存の観点から、公開期間が制限されているとのことで、このような展示は今後ないかもしれません。少しでも興味を持たれたら、足を運ぶ価値は十分にあるかと思います。

展示会情報

鑑賞後は館内のショップへ足を運びましょう。

お洒落なモノクロのミュージアムグッツがならんでいます。どれもこだわりの商品なので見ていても飽きませんね。これからは毎日ヴァロットン作品と一緒に生活できます!

ショップだけもう一回い行こうかな。

引用:三菱一号館美術館公式twitter

会期:2022年10月29日(土) 〜 2023年1月29日(日)
休館日:月曜日、12月31日、1月1日
※但し、10月31日、11月28日、12月26日、1月2日、1月9日、1月23日は開館
開館時間:10:00〜18:00
※入館は閉館の30分前まで(金曜日と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで)

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