Exhibition

初来日作品がてんこ盛り!印象派・光の系譜展【三菱一号館美術館】

引用:三菱一号館美術館 公式teitterより

あなたの知らないモネが来る!なんと59作品が初来日!

1965年に開館したイスラエル最大の美術館から印象派を中心とした美術館のコレクションがお披露目されるとのことで、三菱一号館美術館で開催される「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」展の内覧会に行ってきました。

4つのテーマごとの展示作品の中から、お気に入りの作品をご紹介いたしたいと思います。

①水の風景と反映
②自然と人のいる風景
③都市の情景
④人物と静物

今回は内覧会参加のため、特別な許可を得て撮影をしています。一般公開時にはモネ《睡蓮の池》がある1室は撮影可能となっているとのこと。スマートフォンはフル充電してロッカーに預けないように気をつけてくださいね。

①【モネ】実際の庭にいるかのような作品に癒やされる!

クロード・モネ《睡蓮の池》1907年 イスラエル博物館蔵
クロード・モネ《睡蓮の池》1907年 イスラエル博物館蔵

印象派といえば、モネの描く睡蓮が有名ではないでしょうか。その中でも初来日の作品が鎮座しているではありませんか!視界に入るのはこのモネ作品だけで鑑賞ができるって贅沢。ずっと見てられる展示方法にすでに入館料の元をとったようなものです。

このモネ作品の前に椅子があれば間違いなく閉館まで見ていられそうな気がします。水面に揺らぐ木々のざわめき、当時の空色を想像していたらニヤニヤしちゃいましたが、マスクをしているため変態には見えずホッとひと安心です。

クロード・モネ《睡蓮の池》一部拡大
クロード・モネ《睡蓮の池》一部拡大 1907年 イスラエル博物館蔵

今回の展示は素晴らしいことに、作品の前に結界というか柵がありません。数センチくらいまで顔を近づけて作品を堪能することが可能です。さささっとしたモネの踊り狂うような筆使いは抽象画を見ているよう。息遣いを感じ取れますね。

連作を発表した時期のため、描いた時間が異なる作品が世界各地に散らばっています。来年には日本にある同時期の睡蓮が3作品集合するということで楽しみです。

実物を見て感じたのですが、公式ホームページやフライヤーに公開されている本作が、実物よりも暗く陰気な作品になっているような気がします。これは本物の魔力か、校正上の問題かわかりせん。

そういえば、このモネ作品の左の壁にひっそりと佇む作品があります。この風景を描いたのはレッサー・ユリィという作家です。

レッサー・ユリィ《風景》1900年頃 イスラエル博物館蔵

印象派とは思えない、バターナイフで絵具をキャンバスに擦りつけたような質感のマチエールで描画されている、もの寂しげな風景作品があります。

この展示部屋にあわない様な雰囲気をビシバシ醸し出しています。これって素通りしてしまう人多いかもしれない。でも要チェックの作品なんです。

実際、通り過ぎて後で戻ってくることになったのは言うまでもありません…

②【ゴッホ】太陽光が作品から出ているかのようでスゴイ!

フィンセント・ファン・ゴッホ《麦畑とポピー》左《プロヴァンスの収穫期》右 1888年 イスラエル博物館蔵
フィンセント・ファン・ゴッホ《麦畑とポピー》左《プロヴァンスの収穫期》右 1888年 イスラエル博物館蔵

キラキラとした太陽の光を発しているような絵画ってあるんですね。こればかりは実物をみないと伝わらないかもしれませんが、本当に光っているんですよ。南フランスに位置するアルルの太陽光に焼けちゃいそう。

フィンセント・ファン・ゴッホ《プロヴァンスの収穫期》拡大 1888年
フィンセント・ファン・ゴッホ《プロヴァンスの収穫期》拡大 1888年

この作品も数センチまで近づいて鑑賞してみると人物や風景の描写は日本の浮世絵の影響がに受け見えます。ビシッと縁取りをして表現されてます。

作品全体をみるだけでもいいのですが、絵画は近くによって前から横から斜めからみるのも楽しみの一つです。特にゴッホは真横からもみると絵具の盛上がりも堪能できますので、超絶オススメの鑑賞方法かと思います。

ゴッホらしい良い作品だなぁ作品も日本初公開の作品でロスチャイルド家からの寄付された逸品です。

③【レッサー・ユリィ】初めて知ったイチオシ作家!

レッサー・ユリィ《冬のベルリン》左《夜のポツダム広場》右 1920年代 イスラエル博物館蔵

展示会の中盤あたりにある作品に釘付けとなりました。

最初に紹介したモネの睡蓮の横にこそっと仲間はずれ気味に展示されているものはそれほど興味がありませんでした。が、このユリィ作品はイィィ!

すべての印象派の作家を知っているわけではありませんが、ユリィという作家を初めて知った方も多いのではないでしょうか。

印象派特有の実際描かれた場所の雰囲気を感じるタイプの表現。雨の独特ほこりっぽい香り、降りしきる雨の音、人々の声が聞こえてきそう。当時からネオンサインってあったんですね。

ちょうど鑑賞時間が夜というこもあって街頭光る東京駅と照らし合わせて感じたのかもしません。ユリィの作品は他にも展示されていますので探して見ましょう。

④【ルノワール】優しい筆致と笑顔にやられた!

オーギュスト・ルノワール《レストランゲの肖像》1878年イスラエル博物館蔵
オーギュスト・ルノワール《レストランゲの肖像》1878年イスラエル博物館蔵

とても優しい笑顔でいらっしゃい〜とお出迎えしてくれる作品はルノワアールです。男性を描いた作品は珍しいのではないでしょうか。

とても珍しい作品だなぁ〜と今回も徐々に近づいたときにある違和感に気がつきました。画面右下のサインのこところ。ルノアール以外にも何かゴチャゴチャっと文字が書いてあるんです。

なんて書いてあるんだろって気になった時にこそ見るのがキャプション(画面左下にあるテキスト)を確認してみます。ふむふむ…だからモデルはこんな表情をしているのかと納得しました。

詳細はぜひ現地で確認してみてください。写真拡大すれば読み取れるかもだけど…

ミュージアムショップにできた小さな額屋さんがイイ!

三菱一号館美術館_ミュージアムショップ
三菱一号館美術館 ミュージアムショップ

展覧会のオリジナルポストカードが全部で32種類並んでいます。

30種類以上のフレームとマットを自分の好みにカスタマイズすると数千種類になるとか。オリジナル作品に劣らない絵画となると思いませんか?

ショップスタッフに売れ筋を確認すると、モネの睡蓮ではなくレッサー・ユリィが大人気だそうです。初回分が完売して入荷待ちになっていました。

ポストカード以外もこだわりの商品がならんでいました。この売場をプロデュースしているのは株式会社Eastが運営されているとのこと。他のプロデュースされているショップリストを見つけました。

展示会以外にショップ情報も要チェックです。

ちょっとした感想

ほぼ寄付された美術品のコレクションで成り立っている美術館ということでなんとなくバラツキがある展示作品も見どころです。大富豪からの寄付された作品たちは超逸品が揃っています。

一見すると誰が描いたかわからない初期の作品から、すべて逸品が揃うゴーギャン部屋など印象派ファンは必見の展示会でした。

ポール・ゴーガン《マルティニークの村》他 1887年イスラエル博物館蔵
ポール・ゴーガン《マルティニークの村》他 1887年イスラエル博物館蔵
ポール・セザンヌ《マエスタックの岩》左《マエスタックの岩》右 1865年頃 イスラエル博物館蔵

人気作家の初来日作品が数多くみることができるため、きっとお腹いっぱいになること間違いなし。

展示会情報

会場:三菱一号館美術館
会期:2021年10月15日(金) ~ 2022年1月16日(日)
開館時間:10:00〜18:00(祝日を除く金曜と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで)
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

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