青森に行ったら是非とも訪れたい【県立美術館】
青森県立美術館は外観にある小さな緑のネオンサインが印象的な美術館です。収蔵作品は青森県出身の作家をメインとしています。
美術館を建築する際はコンペが実施されました。なんと応募の総数は365プラン!
その中で縄文遺跡の発掘調査からインスピレーションを得た青木淳の設計プランが採用されました。美術館へ入ると発掘現場のような作りがあるので見つけてみてください。
統一された同館のシンボルマークやサインはデザイナーの菊地敦己がヴィジュアル・アイデンティティ(VI)を手がけております。壁面のネオンサインやトイレのロゴ、ロッカーの番号に至る細かい部分まで徹底して統一されています。
青木淳が設計した建築
20メートル四方の展示スペースは圧巻【アレコ】
チケット購入後はエレベーターにて地下へ案内され扉が開くと建物の中心に設けられた縦・横・高さ約20メートルの「アレコホール」という巨大空間が目の前に広がります。
圧巻です!
展示されている作品はロシア出身のアーティストであるマルク・シャガールによるバレエ「アレコ」の巨大な背景画作品のためだけにある展示室です。
作品解説書が入り口に設置されておりますが、とても分かりやすい音声解説があるので時間をチェックしてください。他の展示ルームを先に見てからの参加をお勧めいたします。
あるいは、アレコホールのベンチに座り、解説がスタートするのを待っているのも良いかもしれません。フィラデルフィア美術館の協力を得て期間を限定して公開している貴重な作品を堪能してください。
そのアレコホールの右奥が奈良美智の展示室入口となります。
何回見ても飽きることがない表情【あおもり犬】
シャガールのアレコ展示室へ入って右側にあるのが青森弘前市出身の現代アーティスト奈良美智の展示スペースです。
引用:青森県立美術館 ≪Mumps≫ アクリル・綿布を貼付したキャンバス
かわいらしい小屋のインスタレーションが目に飛び込んできます。
小屋の入り口から頭を下げて入ると有名な女の子スタイルになる前の30歳当時の貴重なドローイングが数多く展示されています。
現在のテイストとは異なりますが、当時から動物や不機嫌そうな女の子をドローイングしていたことが鑑賞することによってわかります。
小屋を出ると通常であればガラスケースの中にある奈良作品がそのまま壁に展示されていることに驚きます。ポストカードではベタ塗り一色だけに見える絵の背景や着ている服などが、印象派が表現するような筆による色のきらめきがわかります。ずっと眺めていても飽きません。
ここでは壁にも注目してみてください。土壁のような気がしませんか?遺跡を発掘する際にできるトレンチ(溝)のような感じがします。
じっくり絵画作品を鑑賞した後は大人気のあおもり犬に癒されたい…
幼少期に捨て犬を飼うことができなかった経験があるからでしょうか。コミッションワークで作成された作品は8.5メートルの大きさのある犬の作品となりました。遺跡のトレンチから発掘された土偶のようですね。
展示室にある絵本を手に取りベンチでのんびり過ごした後は、外へ出てあおもり犬の足元まで散歩に出かけましょう!
季節や天候によって様々な表情を見せる作品で、雪がふると頭に帽子をかぶったように雪が積もります。時には手前のお皿に花が植えられることもあります。
あおもり犬だけ撮影が許可されておりますのでカメラを忘れずにお持ちください。
望郷の作家たちの作品に癒される
青森県の地域特性として、近代以降の権威に対するアンチの表現や反骨精神、故郷愛が強くなる傾向があるそうです。
棟方志功は特にその想いが強い版画家ではないでしょうか。
作品で表現する文字はダンスするように踊り生命力に溢れ、描かれる人物は美術館近くにある山内丸山遺跡で出土した縄文時代の土偶を彷彿させるパワーを感じることができます。
版木120枚に故郷の悲しみを何とか解き放ちたいという祈りを込めた大作《東北経鬼門譜》は必見です。
屋外作品とミュージアムショップへ行くこともお忘れなく
屋外の八角堂に開館10周年を記念して制作された奈良美智の彫刻作品【Miss Forest】や 限定グッツを販売しているミュージアムショップがありますのでお忘れなく。
最初に訪れた時は存在すら知らず帰宅してしまいました…
そういえば、美術館の壁面にある小さなネオンサインは何を表現しているのかお分かりでしょうか。作品を見ながら考えるのも良いかもしれません。
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